8/11 クスコ近郊の遺跡観光

クスコ到着 サクサイワマン ケンコー プカプカラ タンボマチャイ ピサック オリャンタイタンボ ウルバンバ その他


4:15 ペンション発・・・リマの宿泊先【ペンションカンツータ】
6:00 エアロコンチネンテ1181便 リマ発
7:10 クスコ着
7:30 ガイドと合流
8:00 ホテル着・・・クスコの宿泊先【ロス アンデス】
8:10 ホテル発→クスコ近郊の遺跡観光へ出発

コカ茶(利尿作用があり、高山病に効くといわれる)★クスコ到着【Cuzco】・・・標高3395m

 クスコの空港に着いたときから、はっきりと空気が薄いことを感じました。太平洋に面するリマから飛行機で一気に標高3360mのクスコの空港まで上がってしまうと、大半の人が多少なりとも高山病の症状をおぼえるそうですが、幸い私たちは到着後しばらくの間、軽い頭痛がした程度で、すぐに順応することできました。その後も日程を組むとき、ゆっくりと高所順応ができるように組んだこともあったのか、高山病に悩まされることがほとんどありませんでした。
 ホテルに荷物を預け、コカ茶を飲み、早速クスコ近郊の遺跡観光へ出発しました。


サクサイワマンの石組み★サクサイワマン【Sacsayhuaman】

 クスコのホテルを出発し、車で15分弱。クスコの東を守る堅固な城塞跡、サクサイワマンに到着しました。
サクサイワマンは、インカの代表的な石組みの技術を見ることができる遺跡です。特に内側にある巨石の中には、高さ5m、重さ360tもあるそうです。石の大きさと共に、石組みの精巧さにはたいへん驚きます。インカの石組み技術は、このサクサイワマンをはじめ、今夏の旅行中の随所で見ることができましたが、まさに「カミソリの刃一枚入らない精緻さ」でした。そして、もう一つすばらしいのは、空の色です。空の青さは、たとえようがなく、今まで見たことのない澄んだ青さでした。(右の写真にマウスポインタを合わせてみてね。)
ジグザグに配置された城壁 サクサイワマンの遺跡をつくる巨石の石組みは、20回以上のジグザグを描きながら400m近く続きます。使用された石は郊外からだけではなく、80kmも離れたオリャンタイタンボ(標高差はなんと700mもあり、途中にいくつかの峠もある)からも運ばれ、一説によると完成までに1日3万人を動員して約80年かかったそうです。車(車輪)をもたないインカの人たちは、どうやってこんなに大きな石を運び、こんな小高い丘の上に持ち上げ、どうやってこんなに精巧に加工し、どうやって積み上げたのかという疑問がわかずにいられませんでした。


巨大な石のモニュメント★ケンコ【Qenqo】

 サクサイワマンから車で5分。石を組み合わせたのではなく、岩を削って作られたケンコの遺跡に着きました。インカ時代には祭礼場であったといわれる巨大な石のモニュメントを中心に、皇帝の座った王座や生け贄の台も見られました。ピューマが浮き彫りにされた巨石は、男性のシンボルともいわれ、子宝に恵まれると写真撮影をする観光客(私たちも!?)が多いそうです。


プカプカラの遺跡 ガイドの篠田さんと妻★プカ プカラ【Puka Pukara】

 ケンコから車で5分。次に行ったタンボマチャイのすぐ近くです。"Puka"とはケチュア語で「赤い」という意味で、赤い要塞という意味だそうです。プカ プカラは、見晴らしのよい場所に築かれていて、クスコへ出入りする者を見張ると同時に、タンボマチャイで沐浴するインカ王に近づく危険人物がいないか目を光らせた場所だったようです。


聖なる泉★タンボ マチャイ【Tambo Machay】

 プカ プカラから車で5分。聖なる泉と呼ばれるタンボマチャイに着きました。泉からは、雨季乾季にかかわらず、一年中同じ量の水がわき出ているそうです。また、その水の水源は不明で、どこからどのようにここまで流れているかは数々の調査にもかかわらず、未だにわからないそうです。サイフォンの原理を巧みに利用して、遠くから水を引いてきているという説が有力なようですが、驚きです。


ピサックの市場★ピサック【Pisaq】・・・標高2960m

 朝早くから周辺のインディヘナたちが食料品や日用品をもって集まってくる「ピサックの市」は、火曜日、木曜日、日曜日に立ちます。村の広場を中心に露天が並び、畳半分ほどの広さの露店が並びます。しかし、うれしいことに、旅行の計画中に、毎日、市が開かれるようになったというのです。日曜日の市が最も大きく活気もあるのですが、見ることができないとあきらめていたものが可能になり、今回コースに入れてもらいました。足の踏み場もないというほどではありませんでしたが、雰囲気は十分伝わり、とてもにぎやかでした。荷物を入れるリュックを買おうと、一軒のお店で値段交渉をし、インカのイメージのつよい色彩と柄のものを選びました。(写真にマウスポインタを合わせてみてね)
 肉を売るおばさんや、野菜や果物を量り売りするおばさん、アルパカのセーターやタペストリー、民芸品などを売る店など、生鮮食料品から衣料、日用品まで様々な店が軒を連ねていました。 昔は、山村に住む人々の物々交換の場だった市も、最近は観光客めあての民芸品市の方がメインになって来ているようです。
 広場のすぐ横には教会があり、記念撮影をしました。また、広場からちょっと裏路地へと足を運ぶと、いいにおいがしてきます。大きなパン焼き窯のあるパン屋からでした。ガイドの篠田さんに勧められ、口にするととてもおいしく、感激しました。
 路地の店先には、アンモナイトの化石や、鉱石、プレインカの時代の武器であった石などがさりげなく並べられていました。後にリマの博物館にあったのと同じようなものがおみやげ物として売られていました。今考えると、買っておけばよかったなぁ、なんて思います。石畳と日干しレンガ(アドベ)でできた家並みは、すごくすてきでした。(写真にマウスポインタを合わせてみてね)

 ピサック、ウルバンバ、オリャンタイタンボなどのある、このあたりは「聖なる谷」と呼ばれています。6000m級の山々に囲まれ、インカ帝国の中枢をなる遺跡や村々が残されています。豊富な水とクスコなどと比べて温暖なこのあたりは、インカの時代にも大変重要な位置にあったようです。
 クスコからピサックへ下っていくと、一気に視界が開けるところがありました。ウルバンバ川にそって緑が広がり、空気がとても気持ちよく感じられました。風の谷という形容が似合うかもしれません。また、その後ウルバンバ、オリャンタイタンボに向かって車で走っていくと、氷河を頂いた山々が大変美しく姿を見せてくれました。(右の写真の上にマウスポインタをあわせると、ユカイ【Yukay】の町並みを見ることができます。)


★オリャンタイタンボ【Ollantaytambo】・・・標高2800m

 聖なる谷のほぼ中心にあるオリャンタイタンボは、インカ帝国時代の宿場とも要塞跡ともいわれています。「タンボ」とは、インカの公用語であるケチュア語で、「旅籠」の意味だそうです。このあたりには、〜タンボという地名がいくつかあります。インカ道を宿泊をしながら往来していた当時の様子が浮かびます。
 ウルバンバ、ユカイから車でさらに進むと、舗装道が一変して急に石畳の道になります。しばらく進むと、右側に水路が表れ、人々の生活のにおいがしてきます。広場を過ぎさらに進むと遺跡の駐車場に着きます。
 オリャンタイタンボの遺跡は、斜度45度もありそうな傾斜地に作られています。段々畑が斜面に沿ってあり、山の向かい側には、食料庫といわれている建物跡もあります。段々畑の脇には、300段の階段があり、高低差150m。登り切ると息が切れてしましました。段々畑を登り切ると、今度は、インカの石組み(クスコなどにも見られるような多角形の石組み)があり、さらに上に登ると広場に出ます。
 広場には、6個の巨石を並べた不思議な建造物が残っていました。実際の使用目的は未だにわかっていないそうです。巨石と巨石の接合部分には、細かい石が使われ、クスコの直接石と石を積み重ねる手法とのちがいが興味深いところです。
 現在のオリャンタイタンボの村(実際に人々が住んでいる村)では、インカ時代の村の様式や家のスタイルを残しています。インカ時代の灌漑用水路や下水道が今なお使われていて、村には、きれいな冷たい水が勢いよく流れていました。オリャンタイタンボには宿泊施設もあり、旅行者やインカ道トレッキングをする人たちの休息や食糧補給の基地にもなっているそうです。
 頂上付近からの眺めは最高で、聖なる谷を一望でき、オリャンタイタンボ遺跡の全貌や村の様子もよくわかります。頂上からは、斜面に平行に進む道があり、遺跡を横方向に横切ることができます。段々畑が続き、灌漑設備の整った大規模な農業が行われていたことがよくわかります。段々畑の途中を下に下ると、泉がありました。冷たい水で、きっとアンデスの雪解け水でしょう。また、すぐそばには、小川が流れ、小さな橋が架かっていて、ちょっと素敵でした。この小川はオリャンタイタンボの駅の方に流れ、そのままウルバンバ川に注ぎます。
 遺跡の駐車場の周りでは、民芸品を売る人たちでにぎやかです。今回は、ガイドの奨めもあって、その場で絞る生ジュースに挑戦してみました。お腹をこわさないかと心配でしたが、運だめしに飲んでみました。新鮮なオレンジやパイナップル、バナナ、マンゴーなどは、山一つ向こうから運んでくるそうです。山一つ向こうはジャングルなのです。ペルーの国土の実に50%は熱帯雨林(アマゾン)なのです。フレッシュなオレンジジュースを思いっきりコップ一杯飲んでしまいました。とてもおいしいです。幸いその後お腹をこわすことはありませんでした。
 オリャンタイタンボには、駅があります。クスコ発マチュピチュ行きの列車が停まる駅でもありますが、オリャンタイタンボ始発のマチュピチュ行き(正確にはアグエスカリエンテス)の列車が、クスコ始発の列車よりも速くマチュピチュに着きます。従って、列車を利用してマチュピチュに入る通常の旅行者で、混み合う前にマチュピチュに入りたい場合は、オリャンタイタンボ始発の列車でマチュピチュに行くことをお勧めします。そのためには、いくつか方法があります。まず、オリャンタイタンボかウルバンバ、ユカイなどに宿泊して朝オリャンタイタンボに来る方法。そして、クスコを早朝出発し、車で2時間ほど走ってオリャンタイタンボ発の列車に乗る方法です。いずれにしても、マチュピチュには2時間近く早く着きます。お勧めです。(特に前者のウルバンバ周辺に宿泊するパターンは高所順応という観点から考えてもお勧めです)


★ウルバンバ【Urubamba】・・・標高2863m

 ウルバンバは、クスコ市民の保養地だそうです。標高が低く(といっても2900m弱)年間を通して暖かいそうです。そのため、宿泊地や保養所、レストランなどがあり、昼食をとったレストランも、メインディッシュ以外は地元の料理をオープンエアーのビュッフェ形式で食べさせるレストランでした。今回宿泊した、ホテル「インカランド」も、何年か前までは政府の保養所だったそうです。設備もよく、コテージ形式の部屋も、しゃれていました。
 聖なる谷を車で走っていると、赤いビニール(布)を棒の先に結びつけたものが道路沿いのあちこちにあり気になりました。ガイドに聞くと、それは、チチャというトウモロコシから作ったお酒を売っていますよ、という目印だそうです。一見、一般の家なのですが、家の中では、原料のトウモロコシを発酵させ、それを濾過し、お酒として売っているそうです。
 ガイドにお願いして、オリャンタイタンボからからの帰りに、ある一軒のチチャを作っているところに寄ってもらいました。
 はじめは造っているところを見るだけのつもりだったのですが、ものは試し。チチャに挑戦してみました。「インカ バー」と看板を掲げていたその家に入ると、薄暗いアドベづくりの建物の中で、チチャは造られていました。発芽するかしないかのトウモロコシをざるのかごのようなものの上に入れ、発酵させ、下から落ちる滴のような液を容器に貯めて、さらに熟成させて造るようでした。やや黄色みが買った乳白色のその液体は、他にたとえようのないようなにおいと味でした。酸っぱくて、少し渋く苦い味でしたが甘みのあるという不思議なものでした。さながら酸っぱくてくさい芋焼酎のような味でした。お世辞にも衛生的ではなく、また、おいしいとも言えませんでしたが、いい経験でした。
 また、隣の部屋では、クイ(テンジクネズミ)が飼われていて、儀式の日などに食用にするということでした。巨大ハムスターというか、まさにモルモットです。見た目でパスです。

13:30 昼食・・・ウルバンバのレストラン
14:30 ホテル着・・・ウルバンバの宿泊先【インカランド】
19:00 夕食・・・ホテルのレストラン
深 夜 満天の星空、天の川を観察 

★その他


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