鳴門の渦潮

 鳴門といえば,やっぱり渦潮。渦潮といえば鳴門。
 海峡幅1340mの狭い鳴門海峡を,激しい勢いで流れる潮により発生する鳴門の渦潮は,最大で直径20mにもなり,日本一であるのみならず,世界でも最大規模です。
 渦潮の発生メカニズムは,厳密には詳しい説明が必要なのですが,簡単に説明すると,鳴門海峡が非常に狭いために瀬戸内海と紀伊水道との間に水位差(最大1.5m)が生まれ,海面の高い方から低い方へ激しい勢いで海水が流れ込み,鳴門海峡の中央部を流れる速い流れと,その両側の遅い流れとの速度差により渦ができるわけです。(これでもイメージするのは難しいかも知れません…)
 渦潮は鳴門海峡に行けばいつでも観られるというものではありません。干潮と満潮の時に潮の流れができるため,地球の自転を考えれば分かるように,干潮と満潮が交互に約6時間周期に起こることから,渦潮も一日に4回発生することになります。しかし,当然明るくないと見えないので,日に2回の観潮チャンスがあることになります。
 係のおじさんに聞いたところによると,地形の関係で,断然干潮の時(瀬戸内海から紀伊水道に向かって流れるとき)の方が潮の流れが速いので,満潮の時よりも大きな渦ができるそうです。
 また,月に2回の満月と新月の日には,月と太陽の引力が重なるため,満ち潮と引き潮の水位差がより大きくなり潮流も速くなるため,大きな渦潮ができるそうです。パンフレットによると,鳴門では,春と秋の大潮の頃に潮流が時速20km以上にもなり,渦潮も大きなものが観られ,特に3月下旬から4月下旬が最も観測によい時期だということだそうです。
 そこで,出た結論は,4月の大潮の日(特に新月の日)の干潮の時が観潮のベストということです。
 私が見に行った4月15日(土)は,月齢16でほぼ満月に近かったため,条件はかなりいい方でした。干潮がちょうど昼過ぎだったので,そこをねらって観に行ってきました。しかし,天候があいにくの雨。そこで,今回は,渦の道(大鳴門橋の桁の空間に設置された遊歩道)に行って見ることにしました。

渦の道

 鳴門海峡に架かる大鳴門橋のアンカレイジから淡路島側に向かって450m水平に進むと,そこはまさに鳴門海峡の真上。海面まで45mの高さです。すぐ下には観潮船が観光客を乗せて渦潮の中を航行していました。見るからに潮流は速く,激しい流れとまわりのゆっくりとした流れの境目で渦が発生している様子がよく分かりました。
(左上の写真は,上が紀伊水道側,下が瀬戸内海方向です。写真の左下から上に向かって潮が激しく流れ,右側のゆっくりした潮(黒っぽい部分)との境目で渦ができている様子がわかるかと思います。)
 干潮時刻の12時50分が近づくと,多くの観光客が渦の道を渡って展望室に集まってきました。足下にも眺望用の強化ガラスがはめ込まれている所があり,さすがに大丈夫だとは言われても,その上を歩くときは足がすくみました。天気が良ければ言うことなしだったのですが,しっかりと大きな渦潮を観ることができました。
 渦潮を観る方法には,他に観潮船があります。こちらは,渦潮のすぐ横まで行って観ることができるので,臨場感抜群です。小さな船の場合,渦潮で船が回ってしまうほどです。チャンスがあれば,今度挑戦してみたいと思います。また,淡路島側から鳴門大橋を見るチャンスがあれば,行ってみたいです。

 観潮船に乗ってきました!

 ゴールデンウィーク,帰省もせずこちらに残っていたので,あまり潮は良くありませんでしたが,天気もいいので,渦潮を干潮船にのって観てきました。干潮船は,2社あり,大型の干潮船「わんだーなると」と水中の様子を見ることができる船「アクアエディ」を持つ鳴門観光汽船と,小型の高速干潮船を持つうずしお汽船です。2社合計3つの船は,それぞれ,少しずつ時間がずれているので,時間に合う船を選ぶが,混雑していない方を選ぶか,または,運賃で選ぶか,いろいろな選び方があると思います。ちなみに料金は,わんだーなるとが1530円,アクアエディが完全予約制で2200円,うずしお汽船の船が1500円です。
 潮の条件があまり良くない中,その中でも最も条件がよさそうな時刻に渦潮に突入することをねらって,ちょうどよい時刻のうずしお汽船の船に乗りました。ゴールデンウィークということで,道路が大変混雑していて,渋滞でうごかなかったところが,うずしお汽船の乗り場へは優先的に進めたということもありますが,結果的には,ほとんど待たずに乗ることができ,よかったです。
 先日の渦の道から観たときと比べると大きさは二回りほど小さく,かろうじて渦が巻く程度でしたが,やはり近くで観ると迫力や臨場感が違います。次には最高のコンディションの時に観に行きたいです。