2005.9.18見学
優美で機能面にすぐれた近代城郭の最高傑作。白鷺城の別称でも知られる,美しい城である。
南北朝時代に赤松貞範によって築かれたこの城は,戦国時代になり,黒田重驕C黒田孝高,羽柴秀吉が次々と城主となる。秀吉が毛利との戦いに備え本格改修し,その後,現在の形となったのは,関ヶ原後の池田輝政の大改築によってである。明治維新の廃城令や第2次世界大戦の空襲も免れ,近世の城郭の姿をそのまま現在に残す貴重な遺構として,世界遺産に指定されている。
高さ15mほどの石垣の上に建つ32mの大天守は,東小天守,西小天守,乾小天守の3つの小天守とともにロの字形に並んでいる。この4つの天守を,イ・ロ・ハ・ニとよばれる渡櫓が結ぶ形は,城塞としての正確が色濃く,連立式天守と呼ばれる。これら天守群を飾る末広がりの三角形をなす千鳥破風と,丸くなだらかな軒唐破風が巧みに組み合わされた屋根の美しさと,全ての建物に施された白漆喰は大変見事である。
外観の美しさのみならず,機能面でも優れている。当時の最高水準の技術が取り入れられ,天守は外観5層,内部は7層となっている。また,外堀,中堀,内堀が螺旋状にめぐり,天守に向かう道はまるで迷路のように複雑に入り組んでいる。百間廊下で有名な千姫ゆかりの西の丸や化粧櫓も見応えがある。また,門が意図的に小さくつくられていたり,壁には狭間(鉄砲や弓で攻撃するための穴や切り欠き)や石落としなどのしかけが施されたりしており,実戦的な城であることがよく分かる。
おまけ…気品と優雅さのただよう姫路城の美しさをしばし感じつつ,この日の午後は,聖地甲子園にてタイガースの応援に行ってきました。